校長挨拶

校長挨拶

岩国高等学校広瀬分校 校長 大田真一郎

 山口県立岩国高等学校広瀬分校のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

 本校の源流は、昭和16年に開校した山口県立広瀬農林学校にあります。戦後、山口県立広瀬高等学校と改称し、これまで、数多くの有為の人材を輩出してまいりました。そして、平成20年4月には、岩国高等学校広瀬分校として、同じく坂上高等学校から改編された坂上分校とともに新たなスタートを切り、今年度で16年目を迎えています。

 清流錦川の畔に立ち、豊かな自然に囲まれた広瀬分校は、広瀬高校の校訓「創造」「不撓」「和敬」の伝統を受け継ぎ、「小さくてもキラリ」をコンセプトとして、一人ひとりが主役となって活躍できる学校です。学習指導・進路指導においては、進路目標に応じて入学後の早い段階から、進学にも就職にも対応できる指導を展開しています。また、小規模校ならではの一人ひとりをきめ細かにサポートする教育相談体制を整えています。

 文化祭や体育祭、修学旅行などのほか、恵まれた自然環境という地域の特性を生かした特色ある学校行事がとても豊富です。正門横の茶垣における「茶摘み」は、70年以上続く伝統行事として定着しています。また、カヌー体験は、他校ではなかなかできないめずらしい体験で、錦川の清流の中でカヌーを乗りこなし、自然を満喫し、爽快な気分に浸ることができます。

 こうした中、山口県教育委員会は、令和4年5月に、広瀬分校の入学者が定員を満たしていない状況が続いていることなどから、今後の中学校卒業者数の推移及び分校への入学見込者数を踏まえた上で、令和5年度以降の入学生の募集を停止すると決定・発表されました。現在在籍している生徒は広瀬分校生として、引き続きこの学び舎で学び、現2年生が卒業する令和6年度末をもって広瀬分校は閉校することになります。

 閉校が発表された後も、広瀬分校は、地域に愛され、地域とともにある学校として、地域をはじめ多くの皆様のご支援をいただきながら、「小さくてもキラリ」と輝く教育活動を展開しています。その象徴が、生徒の希望に地域の方々が応えてくださって実現した「餅つき体験」や、錦川鉄道と地域の皆様により錦町駅のホームに停めた車両の中で行った卒業セレモニーなどです。

 学校といたしましても、これまで以上に、保護者の皆様や地域の方々、同窓生の皆様としっかりと連携しながら、教職員が一丸となり、広瀬分校の締めくくりとなる数年間を過ごすこととなる在校生が、充実した高校生活を送り、卒業時に「この学校で学べてよかった」と心から思うことができるよう、また、広瀬分校にゆかりのある多くの方々が広瀬分校を誇りに思い、その心に、本校の姿が末永く刻み込まれるよう、さらには、前身の広瀬高等学校そして岩国高等学校広瀬分校をこれまで支えてくださった地域の皆様や同窓生の皆様に恩返しの気持ちを込めて、心を込めて取り組む決意です。

 このHPをご覧の皆様は、在校生や保護者、同窓生など、様々であろうかと思います。

 同窓生の皆様は、学びや部活動に一心不乱に打ち込む後輩たちの姿に、ご自身の青春時代を重ねられ、また、地域の皆様には、本校および本校生徒への励ましのお言葉をかけていただければと思います。

令和6年4月